「いま」に集中する生き方:「莫妄想(まくもうそう)」
みなさんは、こんなことを考えたことがありますか?
「昔こうしておけばよかったのに…」
「未来が不安だなぁ、どうなるんだろう…」
私たちはついつい、過去を悔やんだり未来を心配しすぎたりして、頭の中がモヤモヤしてしまうことがありますよね。でも、実はそのモヤモヤこそが、私たちの心を一番苦しめているんです。そんなときに役立つのが、「莫妄想(まくもうそう)」という考え方です。
「莫妄想」ってどういう意味?
「莫妄想」という言葉は、簡単に言えば「余計なことを考えるな」という意味です。「妄想」とは、頭の中で勝手にあれこれ考えたり、ありもしないことを心配したりすること。たとえば、「病気が治らなかったらどうしよう」とか、「未来がうまくいかないかもしれない」と思い悩むのもそうです。
でも、よく考えてみてください。
**「過去は変えられないし、未来はまだ来ていない」**ですよね。つまり、「いまこの瞬間」に集中することが、最も意味があるというわけです。
歴史の教訓:北条時宗と「莫妄想」
鎌倉時代の北条時宗という人物が、この「莫妄想」に救われた一人です。彼が生きた時代、日本は元という国からの侵略(元寇)にさらされ、国が滅びるかもしれないという大ピンチでした。
時宗も当然、不安だったことでしょう。「どう戦えばいいのか」「勝てる見込みはあるのか」と悩み抜いていたとき、無学祖元禅師という僧侶に相談しました。そこで返ってきた言葉が「莫妄想」。
この一言を受けて、時宗は「いまできる準備を全力でやり、あとは天命を待とう」と決心しました。そして結果として、元軍は暴風雨によって壊滅。日本は守られたのです。
いまできることに全力を尽くそう
このお話から分かるように、過去に起きたことを後悔しても仕方がないし、未来を心配しすぎても意味がありません。それよりも、「いま自分がやるべきこと、できること」に集中することが大切です。
たとえば:
- 勉強で悩むとき
「このテスト、悪い点を取ったらどうしよう…」と心配するより、「いま1分でも多く参考書を読む」ほうが良い結果につながります。 - 友だち関係で悩むとき
「どうしてあのとき、あんなことを言っちゃったんだろう」と過去を悔やむより、「いま、誠意を持って謝る」ことで関係が良くなるかもしれません。
「いま」に集中する練習
「莫妄想」を実践するには、いまこの瞬間を意識する習慣をつけることが大切です。次のようなことを試してみてください:
- 深呼吸してみる
不安やモヤモヤを感じたとき、ゆっくり深呼吸をして、「いま」の自分の気持ちや体の感覚に集中してみましょう。 - 目の前のことに全力を注ぐ
勉強、部活、家事など、やるべきことに集中していると、余計なことを考えなくなります。 - ポジティブな一歩を踏み出す
悩んでいる時間があったら、まずは行動してみる。たとえ小さな一歩でも、前に進むことが大事です。
終わりに
「過去」は変えられず、「未来」はまだ来ない。だからこそ、「いま」をどう生きるかが大切なんですね。北条時宗が「莫妄想」で救われたように、私たちも悩みを抱えたとき、この言葉を思い出してみましょう。
いまできることに全力を尽くすことで、きっと未来は自然と良い方向に進んでいくはずです!
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