障害年金完全ガイド【2026年版】うつ・がん・透析も対象/通る申立書の書き方と5年遡及請求
「障害年金って、車椅子や重度障害の人だけのもの」——そう思っていませんか?実はうつ病・がん・糖尿病・人工関節でも受給できる可能性があり、年間受給額は78万〜240万円にもなります。
しかも請求しないともらえない「申請主義」。該当するのに知らずに請求していない人は数十万人いると言われています。
この記事では、障害年金の等級・金額・対象疾病・請求手続き・通りやすい書き方のコツまで、2026年最新情報で徹底解説します。
障害年金の全体像
障害年金は、病気やケガで生活・仕事に支障が出た人に国が支給する年金です。老齢年金と同じ公的年金制度の一部で、現役世代が受給する唯一の年金。
| 種類 | 対象 | 等級 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 国民年金加入者(自営業・主婦・学生等) | 1級・2級 |
| 障害厚生年金 | 会社員・公務員(厚生年金加入者) | 1級・2級・3級・障害手当金 |
会社員は基礎+厚生の両方、自営業は基礎のみ。3級・障害手当金は会社員だけの制度です。
障害等級と受給額(2026年度想定)
障害基礎年金
- 1級:年1,020,000円(月85,000円)+子の加算
- 2級:年816,000円(月68,000円)+子の加算
- 子の加算:1人目・2人目は各234,800円、3人目以降は各78,300円
障害厚生年金
- 1級:報酬比例年金×1.25+配偶者加給年金(年234,800円)+障害基礎1級
- 2級:報酬比例年金+配偶者加給年金+障害基礎2級
- 3級:報酬比例年金のみ(最低保証612,000円)
- 障害手当金:報酬比例年金×2(一時金・最低保証1,224,000円)
年収500万円の会社員が2級認定されると、年約150〜200万円を継続受給できる計算になります。
対象となる主な疾病
障害年金は「名前の付いた病気」ではなく「日常生活や労働にどれだけ支障があるか」で判定されます。以下はすべて受給実績のある疾病です。
精神系
- うつ病・双極性障害・統合失調症
- 発達障害・知的障害
- 高次脳機能障害
がん・難病
- 進行がん・化学療法中のがん
- 膠原病・パーキンソン病・ALS
内部障害
- 糖尿病(合併症あり)・慢性腎不全(人工透析)
- 心疾患(ペースメーカー装着等)
- 肝臓病・呼吸器疾患
肢体・視覚・聴覚
- 人工関節・人工骨頭
- 失明・高度難聴
- 脊髄損傷・脳性麻痺
💡 意外な受給例
・人工透析を始めた時点で原則2級
・人工関節(股関節・膝)で3級認定
・ペースメーカー装着で3級
・うつ病で休職中に2級認定
「自分は対象外」と思い込んで請求しない人が多数います。
受給の3大要件
障害年金を受給するには、以下3つをすべて満たす必要があります。
① 初診日要件
障害の原因となった病気・ケガで初めて医師の診察を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していること。
② 保険料納付要件
初診日の前々月までの期間で、以下のいずれかを満たすこと。
- 加入期間の2/3以上を納付または免除
- 特例:初診日前1年間に未納がない(2026年6月までの特例)
③ 障害認定日要件
初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)時点で、障害等級に該当すること。症状が固定していれば6ヶ月で認定される場合もあります。
この3つのうち①初診日の証明が最難関。カルテの保存期間は5年なので、古い病気だと初診の証明書が取れないケースが多発します。
請求の種類と時期
| 請求方法 | 時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 本来請求 | 障害認定日後 | 認定日から最大5年遡及可能 |
| 事後重症請求 | 認定日時点で軽症→その後悪化 | 請求月の翌月から支給 |
| はじめて2級請求 | 軽い障害と新たな障害の合算 | 複数の障害がある場合 |
遡及請求は最大5年分。月10万円の年金なら一括で約600万円が受け取れるケースもあります。請求が遅れた人ほど、過去分を取りに行く価値が大きい制度です。
請求書類と準備物
- 年金請求書(年金事務所で入手)
- 受診状況等証明書(初診日証明・初診の病院で発行)
- 診断書(障害認定日と現在時点の2通必要な場合あり)
- 病歴・就労状況等申立書(本人が書く)
- 戸籍謄本・住民票
- 年金手帳・預金通帳
特に重要なのが「病歴・就労状況等申立書」。ここに日常生活の不自由さを具体的に書くかどうかで等級が変わります。
通りやすい申立書の書き方5つのコツ
① 時系列を3〜5年区切りで整理
発症から現在までを、治療内容・就労状況・生活の変化で区切って記載。
② 「できない」を具体的に書く
NG:「家事がつらい」
OK:「週3回は朝起きられず、食事の準備ができない。掃除は2週間に1回しかできない」
③ 就労実態の詳細
「週2日パート・1日4時間・配慮あり」など援助・配慮の内容を明記。フルタイムで働いていると認定されにくい傾向があります。
④ 診断書と矛盾しないよう注意
医師の診断書に「軽度」と書かれているのに申立書で「重度」と訴えると整合性がないと判断される。事前に医師と相談を。
⑤ 家族の介助・援助を具体化
「母が週3回通ってきて食事を作る」「妻が服薬管理している」など、支援がないと生活できない実態を記載。
💡 社労士への依頼を検討すべきケース
・精神疾患で症状の波があり、日常生活の記述が難しい
・初診日が古く、証明書が取れそうにない
・一度却下されて再請求したい
・成功報酬型で年金2ヶ月分+初回申請額の10%程度が相場(着手金ゼロの事務所もあり)
うつ病で請求する場合の重要ポイント
精神疾患は全障害年金受給者の約40%を占める最大カテゴリ。しかし認定がシビアで、以下がポイント。
- 初診から1年6ヶ月以上の継続通院が必要
- 症状が波打つ場合は悪い日ベースで申立書を書く
- フルタイム就労は2級認定が難しくなる
- 精神保健福祉手帳の等級とは別判定(手帳なしでも受給可)
働きながらの障害年金受給
障害年金は働いていても受給できます。ただし以下の影響あり。
- 3級:就労中でも受給可(配慮付き就労が前提)
- 2級:就労可能だが、フルタイム就労は認定されにくい
- 1級:原則就労困難
会社員なら傷病手当金→障害厚生年金の流れが標準。傷病手当金は最大1年6ヶ月、その後は障害年金に切り替える形です。
障害年金と他制度の併用
| 制度 | 併用可否 |
|---|---|
| 傷病手当金(健保) | 同時受給不可(調整あり) |
| 労災(休業補償給付) | 労災が減額される |
| 生活保護 | 障害年金分が生活保護から差し引かれる |
| 失業手当(雇用保険) | 併給可能(就労可能な状態の場合) |
| 老齢年金 | 65歳以降は有利な方を選択 |
税金の扱い
障害年金は全額非課税。所得税・住民税とも0円で、確定申告も不要です。
ただし国民健康保険料・介護保険料の算定や、児童手当等の所得制限判定では「収入」として扱われない点が大きなメリット。児童扶養手当との併給調整があるので、シングルマザーは要確認。
却下されたらどうする?
不支給通知が届いた場合、以下3つの選択肢があります。
- 審査請求:3ヶ月以内に社会保険審査官へ
- 再審査請求:2ヶ月以内に社会保険審査会へ
- 事後重症請求(再申請):症状が悪化したタイミングで再挑戦
却下理由の大半は「診断書の記載不足」「初診日の証明不足」「日常生活の記述が薄い」。社労士に依頼して再請求すると認定率が大幅に上がるケースが多いです。
障害年金の更新(診断書の再提出)
障害年金は原則として1〜5年ごとに更新があります。誕生月に「障害状態確認届(診断書)」が届くので、主治医に記入してもらい返送。
- 症状悪化→等級上がる可能性あり(額改定請求)
- 症状改善→等級下がる・支給停止の可能性
- 永久認定(更新不要)になるケースもある
更新を忘れると支給が止まるので、誕生月前後は要注意。
よくある質問(FAQ)
Q. 発達障害でも受給できる?
A. 可能。20歳前の発症なら「20歳前障害基礎年金」が適用される場合あり。
Q. 初診のカルテが破棄されていたら?
A. 受診状況等証明書が取れない場合、第三者証明・健康保険の使用記録・診察券などで代用。社労士に相談推奨。
Q. 障害者手帳がなくても請求できる?
A. 手帳と障害年金は別制度。手帳なしでも診断書次第で受給可能。
Q. 学生時代に発症した場合は?
A. 20歳前の初診なら「20歳前障害基礎年金」が使え、保険料納付要件は不問。
Q. 請求してから支給までどのくらい?
A. 通常3〜6ヶ月。精神疾患はさらに時間がかかることも。
まとめ:該当するなら迷わず請求を
- 障害年金は「重度障害の人だけ」ではない
- うつ病・がん・人工関節・透析など幅広い疾病が対象
- 遡及請求で最大5年分(数百万円)を一括受給できる可能性
- 「病歴・就労状況等申立書」の書き方が勝負
- 却下されても審査請求・再申請の道がある
- 複雑なケースは社労士依頼も有効
障害年金は「請求しないと1円ももらえない」制度。該当の可能性があれば、まずは年金事務所または社労士に無料相談を。
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