学資保険 vs 新NISA徹底比較【2026年版】18年後の差額264万円の真実
「子どもが生まれたら学資保険」という昭和からの常識、今でも正しいのでしょうか。実は低金利が続く今の日本では、新NISAの方が圧倒的に有利なケースが大半です。
でも「学資保険は元本保証だから安心」「新NISAは怖い」という声もよく聞きます。この記事では、数字で正直に比較します。感情論ではなく、18年後にいくら手元に残るかで判断してください。
結論を先に言うと、子どもの教育資金を貯めるなら新NISAが圧倒的に有利。ただし「親が万一死亡したときの保障が必要」という条件付きで学資保険を選ぶ理由が残ります。
目次
学資保険の仕組みとリアルな返戻率
学資保険は「毎月一定額を払い込み、子どもが一定年齢になったら満期金が受け取れる貯蓄型保険」です。払った額より受け取りの方が多ければ「プラス」、少なければ「マイナス」になります。
今の学資保険の返戻率(2026年時点)
| 保険会社 | 返戻率の目安 | 月払い例 | 18年後受取額 |
|---|---|---|---|
| ソニー生命(人気No.1) | 約105〜106% | 15,000円 | 約327万円 |
| フコク生命 | 約104〜105% | 15,000円 | 約324万円 |
| 住友生命 | 約103〜104% | 15,000円 | 約321万円 |
| JA共済(こども共済) | 約102〜103% | 15,000円 | 約318万円 |
※月払い15,000円×12ヶ月×18年=元本324万円に対する受取額。
「返戻率105%」の真実
元本324万円が18年後に約341万円(ソニー生命の場合)になる計算。差額はわずか17万円。これを年利換算すると約0.28%にすぎません。
一方でインフレが年1%続けば、17万円の利益は物価上昇に完全に食われます。学資保険は「増える」というより「ほぼ元本が返ってくる」商品です。
学資保険のメリット(正直に)
- 元本が減らない:株のように暴落しない
- 強制積立になる:解約するのが面倒なので続けやすい
- 親が死亡した場合、以後の払込が免除される(=保障機能)
- 生命保険料控除が使える(年間最大4万円の所得控除)
学資保険のデメリット(正直に)
- 実質利回りが年0.2〜0.5%程度と非常に低い
- 途中解約すると元本割れ(特に加入後5年以内は大幅マイナス)
- インフレに対応できない
- 受取時期が固定されている(進路変更に柔軟に対応できない)
新NISAで教育費を作る仕組み
新NISAのつみたて投資枠を使えば、運用益が非課税で毎月積み立てられます。教育費目的で使う場合のポイントを整理します。
新NISAの基本スペック(教育費用途)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年間積立上限 | 120万円(月10万円まで) |
| 非課税期間 | 無期限 |
| 途中売却 | いつでも可能(ペナルティなし) |
| 運用益への税金 | 0円(通常は20.315%課税) |
| おすすめ投資信託 | eMAXIS Slim 全世界株式(年率0.05775%) |
新NISAのメリット(正直に)
- 長期では年3〜7%の運用益が期待できる
- 非課税なので複利効果が最大限に働く
- いつでも売却可能なので、進路変更や緊急時に対応できる
- 子どもが「大学不要」になっても老後資金に転用できる
新NISAのデメリット(正直に)
- 元本保証なし。市場が暴落すると一時的にマイナスになる
- 入学直前に暴落すると困る(→出口戦略が必要)
- 親が死亡しても積立が自動継続されない
- 自分で積立設定する手間がある
18年後の手取り額を徹底比較
月15,000円を18年間積み立てた場合の元本324万円が18年後にいくらになるか、正直に並べます。
| 方法 | 18年後の受取額 | 元本との差額 | 実質年利 |
|---|---|---|---|
| 銀行普通預金 | 約325万円 | +1万円 | 約0.02% |
| 学資保険(ソニー生命) | 約341万円 | +17万円 | 約0.28% |
| 新NISA(年3%想定) | 約497万円 | +173万円 | 3% |
| 新NISA(年5%想定) | 約605万円 | +281万円 | 5% |
| 新NISA(年7%想定) | 約736万円 | +412万円 | 7% |
差額のインパクト
学資保険(+17万円)vs 新NISA年5%(+281万円)。その差は264万円。
この264万円は「私立大学4年間の授業料」に相当します。学資保険にするか新NISAにするかで、もう1人分の大学費用が生まれるかどうかの差がつきます。
「でも暴落したら?」に答える
新NISAで最も心配されるのが暴落リスクです。実際にどれくらい下がるのか、過去の事例で確認しましょう。
| 暴落イベント | 最大下落率 | 回復までの期間 |
|---|---|---|
| リーマンショック(2008年) | ▲55% | 約5年 |
| コロナショック(2020年) | ▲34% | 約6ヶ月 |
| チャイナショック(2015年) | ▲20% | 約1年 |
ポイントは「18年積み立てる間に暴落が来ても、長期では回復する」という事実。S&P500は過去70年間で一度も18年後にマイナスになったことがありません。
さらに「高校2年生(16歳)から段階的に現金化」する出口戦略を取れば、入学直前の暴落リスクはほぼ回避できます。詳しくは教育費1000万円シミュレーションで解説しています。
学資保険が「あり」なケース
新NISAが有利とは言っても、学資保険を選ぶべきケースも確かに存在します。
学資保険を選ぶべき3つのケース
- 親の死亡保障が足りていない家庭
学資保険には「払込免除特約」があり、親が死亡・高度障害になった場合に以後の保険料が免除されます。これは純粋な「子どもの生活保障」として機能します。 - 絶対に元本を減らしたくない・投資が怖くて眠れない
精神的な安心のためにお金を払う価値はあります。不安で夜眠れないなら、低い利回りでも学資保険の方がQOLが高い。 - すでに10年以上加入していて返戻率が高い
後述しますが、長期加入済みの学資保険を今解約すると損するケースもあります。
なお「死亡保障が不安だから学資保険」と思っている方へ。同じ保障を定期死亡保険(掛け捨て)で別途用意すれば、保障コストは格段に安くなります。月3,000〜5,000円の掛け捨て保険+新NISAの組み合わせが、学資保険単体より安くて手取りが増えます。詳しくは保険見直しガイドを参考にしてください。
新NISAが「あり」なケース
新NISAを選ぶべき4つのケース
- 子どもが0〜5歳で、運用期間が十分ある
13年以上あれば歴史的に元本割れなし。長期投資のメリットが最大限に発揮される。 - 進路が確定していない・変更の可能性がある
学資保険は受取時期が固定だが、新NISAはいつでも売却できる。子が「大学行かない」となっても老後資金へ転用できる。 - 既に死亡保障(定期保険・収入保障)が十分ある
保障が別途あるなら、学資保険の「払込免除特約」は不要。純粋に増やすなら新NISA一択。 - 児童手当を丸ごと回せる
生活費を削らず、児童手当(月1〜3万円)をそのままNISAに回すだけで大学費用がほぼ作れる。詳しくは児童手当フル活用ガイドを参照。
学資保険に入ってしまった人の対処法
「この記事を読んで後悔した…でも今さら解約できる?」という方向けのガイドです。
解約していい?の判断チャート
| 状況 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 加入から3年以内 | ✅ 解約を検討 | 元本割れが少ない・運用期間がまだ長い |
| 加入から5〜10年 | ⚠️ 試算が必要 | 解約返戻金と新NISA運用益を比較 |
| 加入から10年以上 | ❌ 解約しない | 返戻率が上がっており解約損の方が大きい |
| 子どもが10歳以上 | ❌ 解約しない | 新NISAでの運用期間が短すぎてリスクが高い |
保険を続けながら新NISAも始める
解約しない場合でも、月の積立に余裕があるなら学資保険はそのまま続けつつ、追加で新NISAを始めるのがベストです。
- 学資保険:最低ラインの元本保証として機能させる
- 新NISA:上乗せ分を運用して増やす
例:月15,000円の学資保険を継続 + 新NISAで月5,000〜10,000円追加積立。これで「下限の保証+上限の成長」を両取りできます。
解約前に必ず確認
解約する場合は「解約返戻金額」を保険会社に電話で確認してから動いてください。証券に記載の金額と変わっている場合があります。電話一本で正確な数字が出ます。
よくある質問
Q. 学資保険の生命保険料控除は大きいの?
年間の払込保険料が8万円超なら所得控除は年4万円(所得税)+2.8万円(住民税)。節税額は年間約8,000〜10,000円程度。18年で約15万円。確かにプラスですが、新NISAの運用益(+173万〜412万円)と比べると誤差レベル。
Q. ジュニアNISAは2023年で終わったの?
はい。2023年末で新規投資は終了しました。既存のジュニアNISAは18歳まで非課税で保有継続できます。
Q. 新NISAは親名義で子どもの教育費を作っていいの?
問題ありません。親名義のNISAで積み立てて、大学入学時に解約して授業料を払うのが一般的なルートです。
Q. 学資保険と医療保険はセットになっているけど?
子ども医療は自治体の「子ども医療費助成」でほぼカバーできます。セット型は保険料が割高になりやすいので、医療特約は外して学資だけか、医療は別途シンプルな医療保険を検討を。
Q. 夫婦どちらかが死んだとき、新NISAはどうなる?
新NISAの資産は相続資産として子ども・配偶者に引き継げます(相続手続き必要)。ただし「積立が自動継続」はされないので、残った配偶者が積立を引き継ぐ意識が必要です。
Q. 今すぐ動くとしたら何をすればいい?
① 現在の学資保険の返戻率・解約返戻金を確認 → ② 解約可否の判断(上記チャート参照)→ ③ 新NISA口座開設(楽天証券 ・ SBI証券)→ ④ 月1万円からeMAXIS Slim 全世界株式でつみたてスタート。
まとめ
- 学資保険の実質利回りは年0.2〜0.5%。18年で元本比+17万円が上限
- 新NISAは年3〜5%で運用できれば18年で+173〜281万円(学資保険の10〜16倍)
- 学資保険を選ぶのは「死亡保障が不十分」「絶対に投資が無理」な人だけ
- 死亡保障が欲しいなら掛け捨て保険+新NISAの組み合わせの方が安くて増える
- すでに加入中なら「加入10年以内かつ子どもが10歳以下」だけ解約を検討
- 解約しない場合でも、追加で新NISAを始めるのが正解
教育費の準備は「始める時期」が全てと言っても過言ではありません。子どもが0歳のとき始めれば月1.5万円で大学費用が作れますが、10歳から始めると月5万円必要になります。
「学資保険か新NISAか」より大事なのは「今すぐ始めるか、先延ばしにするか」です。教育費の全体像を掴みたい方は教育費1000万円シミュレーションを、家計全体のバランスを整えたい方は共働き夫婦の家計管理も合わせてご覧ください。
