特別費の一覧と月いくら?【2026年】国の家計調査で見ると年約31万円
毎月の家計簿は黒字なのに、1年たつと貯金が増えていない。原因としてよくあるのが、「毎月は出ないけれど、毎年出るお金」を月割りしていないことです。
車検、自動車税、帰省や旅行、ご祝儀、家電の買い替え。国の家計調査(2025年)で、こうした「年に何回かまとまって出るお金」を足すと、2人以上の世帯の平均で年約31万円(月約2.6万円)、34歳以下の一人暮らしでも年約10万円(月約8,500円)でした。この記事では、特別費を国の平均で確かめ、月いくら積み立てればいいかを計算します。
3秒結論
✅ 国の家計調査(2025年)で旅行・冠婚葬祭・車・家電・火災保険を足すと、2人以上の世帯で年約31万円(月約2.6万円)、34歳以下の一人暮らしで年約10万円。持ち家や車があれば、固定資産税・自動車税も加わる
✅ 12で割って毎月、別の口座に先に移す。これだけで年1回の出費に貯金が溶けなくなる
✅ 国の平均で支出が多い月は12月(平均より約3.8万円多い)・3月(約2.5万円)・4月(約1.2万円)
特別費とは「毎月は出ないけれど、毎年出るお金」
家計簿をつけている人ほど、特別費でつまずきます。毎月の食費や光熱費はきちんと管理しているのに、年1回の出費を「今月は特別だから」で処理してしまうからです。
でも車検は、自家用の乗用車なら2年に1回(新車は最初だけ3年)かならず来ますし、自動車税は毎年5月に納税通知書が届きます(東京都なら5月末が納期限)。帰省も、誕生日も、年末年始も、来ることは1年前から分かっています。「特別」なのは名前だけで、実際は時期がずれた固定費です。
固定費と同じように扱えば、家計は安定します。やることは1つ。年間の合計を12で割って、毎月積み立てるだけです。
特別費の一覧(月別カレンダー)
よくある特別費を月別に並べました。いつ何が来るかは家によって違うので、自分の家の予定に書き換えて使ってください。
| 月 | おもな特別費 |
|---|---|
| 1月 | お年玉・年始の帰省 |
| 2月 | (少ない月) |
| 3月 | 卒業・進級の準備、春休みのレジャー |
| 4月 | 入学・進級、新生活の準備 |
| 5月 | 自動車税(4月1日時点の持ち主に5月に通知)・ゴールデンウィーク・母の日 |
| 6月 | 父の日 |
| 7月 | お中元・夏休みの準備 |
| 8月 | お盆の帰省・夏休みの旅行 |
| 9月 | 敬老の日 |
| 10月 | 七五三など(該当する年だけ) |
| 11月 | (少なめの月) |
| 12月 | クリスマス・年末年始の準備・お歳暮 |
| 通年 | 誕生日・冠婚葬祭・家電の買い替え・車検(2年ごと)・自動車保険や火災保険の更新・家賃の更新(契約した月)・固定資産税(持ち家) |
国の家計調査で、2025年の月別の消費支出(2人以上の世帯)を見ると、1年の平均(月31.4万円)より多かったのは12月(35.2万円)・3月(33.9万円)・4月(32.6万円)でした。いちばん少ないのは2月(29.1万円)と6月(29.5万円)で、12月との差は月約6万円あります。

「今月はなぜか苦しい」の正体は、たいていこうした月の出費です。この差を月割りでならすのが、特別費の積み立てです。
国の平均で見る、特別費の年間合計と月いくら
家計調査(2025年)から、年に何回かまとまって出る支出を拾って、1年分を足しました。
| 特別費の例 | 2人以上の世帯 | 一人暮らし(34歳以下) | 一人暮らし(全年齢) |
|---|---|---|---|
| 旅行(宿泊料・パック旅行費) | 74,284円 | 39,412円 | 34,649円 |
| ご祝儀・香典などのお金(贈与金)と冠婚葬祭の費用 | 94,330円 | 23,653円 | 75,699円 |
| 車(整備費・自賠責保険・任意保険) | 82,106円 | 21,027円 | 33,436円 |
| 家電(冷蔵庫・洗濯機などの家事用耐久財・エアコンなどの冷暖房用器具) | 46,296円 | 15,973円 | 19,398円 |
| 火災・地震保険料 | 14,310円 | 2,504円 | 10,067円 |
| 合計(1年) | 311,326円 | 102,569円 | 173,249円 |
| 月割り(÷12) | 約25,900円 | 約8,500円 | 約14,400円 |
出典:総務省「家計調査」2025年(2人以上の世帯は第4-1表 品目別の年間支出金額、一人暮らしは単身世帯 第2表 品目分類)。使わなかった世帯も含めた平均です。一人暮らしの「贈与金と冠婚葬祭」は贈与金だけ。自動車税・固定資産税などの税金は、家計調査の消費支出に入らないので含みません。合計と月割りは当サイトの計算。
2人以上の世帯の平均でも月約2.6万円。食費や光熱費のように毎月は出ないので、多くの家計簿にはこの項目がありません。毎月の家計簿が黒字でも貯まらない理由は、ここにあります。
⚠️ 先に、正直な話を
上の金額は国の平均で、あなたの家の数字ではありません。使わなかった家も含めた平均なので、車を持っている家は車の分がもっと多くなりますし、車が2台なら2台分です。持ち家なら固定資産税、車があれば自動車税も加わります(たとえば1リットル超〜1.5リットル以下の自家用乗用車は年30,500円。2019年10月以降に新車登録した車・東京都主税局)。
大事なのは金額を当てることではなく、去年1年のカード明細と通帳を見て、自分の家の特別費を1回書き出すことです。そこで出た合計を12で割った数字が、あなたの家の「月いくら」です。
毎月黒字なのに貯まらない理由は、これ
たとえば月の収支が+3万円の家があるとします。1年で36万円貯まる計算です。
でも特別費が国の平均と同じ年約31万円あると、12月や3月、車検や帰省の月に、貯まった分が数か月おきにまとめて消えます。年末に通帳を見ると、残っているのは5万円ほど。「毎月黒字だったはずなのに」となるのは、この構造です。
この家の本当の月収支は、+3万円ではなく3万円 − 2.6万円 = +0.4万円です(当サイトの計算)。特別費を月割りして初めて、本当の数字が見えます。本当の数字が見えないと、何を減らせばいいかも分かりません。
家計簿アプリで「先月は黒字だった」と安心している人ほど、この落とし穴にはまりやすいです。アプリの月次の数字には、来月の車検が含まれていないからです。
積み立ての置き場所は3つ
月割りの額が決まったら、生活費の口座から物理的に離すのがコツです。同じ口座に置くと、必ず使います。
1. 特別費専用の口座をつくる(一番確実)
ネット銀行なら口座は無料で作れます。給料日の翌日に自動で移す設定をしておけば、意志はいりません。使うときだけ生活費の口座に戻します。口座の残高がそのまま「特別費に使っていい額」になるので、迷いが消えます。
2. 家計簿アプリの「目的別」機能を使う
口座を増やしたくない人は、アプリ上で「特別費」の袋を分ける方法があります。残高は1つでも、アプリの中では分かれて見えます。手軽ですが、残高が見えているぶん使ってしまいやすいのが弱点です。
3. 封筒に現金で入れる(昔ながらの方法)
毎月の積立額を封筒に入れて、使うときに出す。原始的ですが、減っていく感覚がはっきりあるので、使いすぎに一番気づきやすい方法でもあります。子どもに家計を見せたい家庭にも向いています。
どれを選んでも効果は同じです。「生活費と混ぜない」ことだけ守ってください。口座の分け方そのものは 共働き夫婦の口座の分け方 で詳しく書いています。
減らせる特別費・減らせない特別費
特別費は「全部かならず出る」わけではありません。減らせるものと、減らせないものに分けると、手をつける場所が見えます。
減らせるもの(見直す余地があるもの)
- 自動車保険:国の平均は2人以上の世帯で年41,143円(任意保険・車のない家も含む)。満期の前に、同じ補償で複数社の見積もりを比べます。手順は 自動車保険の見直し方 へ。
- 火災保険:国の平均は火災・地震保険料で年14,310円(2人以上の世帯)。満期の前に、補償が今の暮らしに合っているかと、ほかの会社の見積もりを確認します。火災保険の見直し に手順があります。
- 年末年始:12月は国の平均で1年でいちばん支出が多い月です。おせち・年賀状・福袋など、毎年なんとなく買っているものの見直しは 年末年始にやめていいこと7つ に。
- 家電の買い替え:国の平均は2人以上の世帯で年約4.6万円(家事用耐久財・冷暖房用器具)。壊れる前に「そのうち使う」で買っているものがないか。買わなくていいもの12個 で棚卸しできます。
減らせないもの(ここは削らない)
- 自動車税・車検の法定費用:車を持つ限り決まった額です。減らすなら「車を持つかどうか」の話になります。
- 冠婚葬祭:ご祝儀や香典を削ると、お金より大きなものを失います。予備費として先に確保しておくところです。
- 医療費の予備:検診などを先延ばしにすると、あとで治療費が高くつくこともあります。ここは「使わなければ翌年に回す」お金です。
特別費は、全部を削るより「減らせるものだけ手をつける」ほうが続けやすいやり方です。
ふるさと納税は、特別費に入れておく
意外と見落とされるのが、ふるさと納税です。寄付した額は、その年のうちに財布から出ていきます。戻ってくるのは翌年の住民税。つまり手元のお金で見ると、年末に出ていく特別費と同じ動きをします。
12月は、国の平均でも1年でいちばん支出が多い月です。そこに慌てて寄付すると、家計が一気に苦しくなります。特別費の積み立てに最初から入れておくと、この「12月の二重苦」が消えます。
⚠️ 先に、正直な話を
ふるさと納税は「タダで返礼品がもらえる制度」ではありません。正確には来年払う住民税を先に払って、お礼に品物をもらう仕組みです。
4万円を寄付すると、その4万円はいま財布から出ます。そのかわり、上限の範囲内なら翌年の住民税が約3万8,000円安くなり(ワンストップ特例の場合。確定申告なら一部は所得税の還付)、差し引き自己負担2,000円で返礼品が手に入る、という順番です(総務省 ふるさと納税ポータル)。だからこそ、寄付額は特別費として先に用意しておく必要があります。
📚 やり方を最初から知りたい方へ
上限の調べ方から申し込み・ワンストップ特例まで、ふるさと納税のやり方・完全ガイド にまとめています。お米や日用品など、特別費を減らす返礼品は 返礼品おすすめランキング で。
よくある質問(Q&A)
Q. 特別費と貯金は別ですか?
A. 別です。特別費は使う前提のお金で、貯金は使わない前提のお金です。混ぜると「貯金が減った」と感じて落ち込みますが、特別費を使うのは予定どおりです。口座を分けると、この混乱がなくなります。
Q. 月割りの額が大きすぎて、積み立てられません。
A. その場合は「減らせるもの」から手をつけてください。自動車保険と火災保険は満期の前に見積もりを比べ、年末年始は買うものを見直す。積み立てる額そのものを減らすのが先です。それでも足りない分は、まず大きい月(国の平均なら12月・3月・4月、車があれば自動車税の5月や車検の月)だけ備えるところから。
Q. 余ったらどうすればいいですか?
A. 翌年に繰り越すのが基本です。数年に1回の家電の買い替えや、冠婚葬祭が重なる年のために置いておきます。2年連続で余るなら、月割りの額を下げてください。
Q. ボーナスで払えばいいのでは?
A. ボーナスがある家はそれでも回ります。ただしボーナスは減ることも出ないこともあるので、ボーナスに頼らない額を月割りにしておいて、ボーナスは丸ごと貯金に回すほうが安定します。使い方は ボーナスの使い方 にまとめています。
Q. 家計簿をつけていなくても始められますか?
A. 始められます。去年1年のカード明細と通帳を見て、月に出ないお金だけ書き出せば十分です。家計簿を続ける必要はありません。続かない人向けの仕組みは ズボラでも続く節約術10選 をどうぞ。
📚 家電の修理・買い替えも特別費に
家電7点すべてに延長保証をつけると、保証料はモデル家庭で4.6万円。入らない分を修理積立に回す考え方は 家電の延長保証はいらない?迷わず入っていいのは3つだけ に。
📚 特別費に回すなら、年払いで安くなるものから
NHK受信料・Amazonプライム・国民年金・自動車保険は、年払いにすると安くなります。金利に直すと最大年57%。一覧は 年払いで得するもの一覧 に。
まとめ:特別費は「時期がずれた固定費」
特別費は、国の家計調査(2025年)の平均でも、2人以上の世帯で年約31万円・月約2.6万円。34歳以下の一人暮らしでも年約10万円あります。この金額を月割りせずに家計簿をつけていると、毎月黒字なのに年末に残らないという現象が起きます。
- 去年の明細を見て、自分の家の特別費を1回書き出す
- 12で割って、給料日の翌日に別口座へ自動で移す
- 国の平均で大きく出るのは12月・3月・4月。車があれば自動車税の5月と車検の月も
- 減らすのは保険・年末年始・家電など。冠婚葬祭と医療費は削らない
📚 次に読むなら
毎月の固定費も見直すなら 見落とし固定費ワースト10、家計全体の型を作るなら 家計管理の基本 をどうぞ。
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家計簿と口座の残高が合わないときは 使途不明金はどこに消えた?。国の家計簿では一人暮らしで月67円しかない理由と、漏れる経路7つ・どこまで追いかけるかの目安を書いています。
📚 夫婦で話し合うなら
家計の話が喧嘩になるのは議題のせいです → 家計会議のやり方|月15分・議題3つで喧嘩にならない。相手の明細は見ない、世帯の合計と来月の予定だけ見る型をまとめました。
📚 締切を1枚で見るなら
ワンストップ1/10・確定申告3/15・自動車税5月末・ふるさと納税12/31など、家庭のお金の締切12個を図にしました → お金の締切カレンダー|忘れると損する12の期限。忘れても5年以内なら戻る還付申告のルールも。
この記事で確認した公式ページ(2026年10月)
・総務省統計局「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2025年」第4-1表 品目別(宿泊料35,994円・パック旅行費38,290円・贈与金76,089円・婚礼関係費3,214円・葬儀関係費13,270円・他の冠婚葬祭費1,757円・自動車整備費33,830円・自賠責7,133円・任意41,143円・家事用耐久財26,030円・冷暖房用器具20,266円・火災・地震保険料14,310円)
・総務省統計局「家計調査 単身世帯 2025年」第2表 男女,年齢階級別(品目分類)(34歳以下と全年齢)
・総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)月次 主要家計指標」(2025年の月別の消費支出)
・東京都主税局「自動車税」(4月1日時点の所有者に課税・5月末が納期限・1L超〜1.5L以下の自家用乗用車 年30,500円)
・総務省「ふるさと納税ポータル 控除の仕組み」
